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ホタルの再生プランの提案


”今、子供たちに伝えること”

 今、失われつつある”里のくらし”を地元で、また自然の中で子供たちに伝えて行くことが、我々世代の大切な役割ではないだろうか。その伝え方は、より具体的で、分かり易い方法で伝えなければならないと思います。それは、みじかな生活圏のなかでの実体験であり、動植物との関わりの中から学ぶ「生き方」であると思います。

 取り立てて言うことではないこの「自然な流れ」が、今、子供たちの生活圏からどんどん消えていることが問題なのです。



”地域活動と再生プラン”

 調査活動の中で、保護活動のみなさんにお会いし、さまざまな情報と問題提起をいただきました。長期にわたる保護活動から、ホタルの生態もだんだん解明され、これからは、諸条件を整えることができれば、ホタルの再生も可能なところまできました。現在、幼虫を養殖し、河川への放流が各地域で順調な成果を上げております。そして、毎年ホタルの催しが行なわれ、その保護育成活動は、小学校.子供会.保存会を中心に、確実に地域に根づいています。



”ホタルの舞う自然公園”の提案

 植栽と人工川を組み合わせた公園は、各地で造られてきましたが、そこにホタルを飛ばそうと試みる公園はまだ少ない。それは、ホタルに関する生息条件が明確にされていなかったことにあります。

 ここ数年、ホタルの生態もだんだん解明され、生息条件を整えることができるようになりました。そして、人工川での実験でも大きな成果あげております。したがって、これからは、清水の流れている限られた地域、または、山村でしか見られなっかったホタルが、みじかな生活圏の中でも見ることができるようになったのです。

 特に、水の確保(谷水.湧水.地下水)が容易な地域においては、大変有利な生息条件が整っていることになります。この有利な条件を活かすことができれば、各地域の公園でも”ホタルの舞う自然公園”が実現することになります。

 むかしのように、ユカタを着て下駄履きの”ホタル狩り”の光景が、甦ることにもなります。



”技術的再生の方法の概要”

飼育の方法

(成虫→卵)
人工交尾産卵


(幼虫)
人工ふ化
       ↓                ↓
(幼虫)
水槽飼育
↓ 

(幼虫)
人工川へ放流

(幼虫→サナギ)
上陸(地中)

(幼虫)
羽化

↓      ↓    

(幼虫)
河川へ放流

(幼虫→サナギ)
上陸(地中)

(幼虫)
羽化



● 人工的産卵箱を使う方法‥‥‥ 産卵箱で交尾産卵させ、ふ化。

● 水槽による幼虫の飼育方法‥‥ 水循環型水槽/流水型水槽による飼育
(カワニナの飼育とカワニナの餌)
日常管理の方法(水質/水温/酸素量/成育状況の観察等)

● 人工川による飼育方法‥‥‥‥ 人工川の設計(勾配/水草/外的条件の整備等)
水質管理の方法(温度/流速/酸素量/混入物等)

  ・幼虫の上陸条件の整備‥‥‥ 土繭を作れる条件整備(地質/湿度/水草/日陰等)

  ・羽化/産卵の条件整備‥‥‥ 産卵条件の整備(植栽/日陰/古木/苔/水草等の条件)

● 終令幼虫の河川への放流‥‥‥ 水槽での終令幼虫を随時放流
(河川の生息条件の確認)


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