ホタル養殖用人工川の計画について
この頃、源氏ボタルのための人工川が、各地域で造られるようになりました。計画に当たっては、いろいろ検討されたこととは思いますが、いまひとつ、源氏ボタルに良い環境とは言えません。以下の点に配慮し計画されると良いでしょう。1.湧水(地下水)の汲み上げ量と流速との関係
2.勾配 1/120〜1/200 3.水深 5〜7cm ・幼虫の好適水深 ・実際の人工川の深さは、20cm位とし、砂利や小石で深さを調整する。 ・また、川巾の調整も石や水性植物(セリ.クレソン)を両淵に植えることで流速を調整できる。 4.人工川の方向 ・東西に長く,南北には短くとる。(日陰/日照) 5.人工川の廻りの植栽と地質 ・植栽は落葉樹が良く、日陰をつくることで土の湿度を確保。土繭づくりに適した地質 (無農薬畑土と川砂の混合) 以上の点が、もっときめ細かく計画されることが望ましいと考えます。 その理由は、流速を保つことで水中の酸素量が増すこと。夏場の水温上昇を防ぐことができる。 また、流速を保つことで、底には泥や枯葉などが堆積せず、小石.砂底となる。泥底では、池や沼に住む水生昆虫や魚類が繁殖し、ゲンジボタルの生息条件とは全く異なる悪い環境を作ってしまう。つまり、池を作らないことです。 また、水深を浅くし、流速を保つことで、低温水域(16〜19℃)の面積を出来るだけ広く確保し、中型大型魚類や暖水で繁殖する水生昆虫.その他の外敵の侵入を防ぐことができる。つまり、湧水系の水生昆虫などがすめる環境(水温.流速.水深)を確保することが、幼虫の最適な飼育環境でをつくることなのです。 そして、人工川では、限られた面積の中で、幼虫の生息適合面積を最大にとることであり、その繁殖目的に合った人工川の計画がされなければ、他の生物を呼び込んでしまい、3年目にはホタルは全く飛ばず、繁殖は長続きしないことになる。 |
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