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和家具




■元来日本は、ノーファニチァーの生活であり、庶民に家具といわれるものが広まったのは、江戸時代、もしくは大正時代に婚礼家具が一般的になってからと思われます。
■和家具の名前の検索は、索引をご利用ください。
小物その他





座の和家具

◆日本人の生活では、椅座位は特定の人のみで、一般には座位と立位が基準でした。



●座椅子
 座卓、座椅子、おざぶとセットで、お座敷の定番商品
 背の支持がポイントで座布団と組み合わせて使ったり、コンパクトに重ねられたり、折り畳めたりするものもあります

●脇息
 形としての種類はいろいろ、箱形のものもあります
 奈良時代にはすでにあったようで、脇ではなく、膝前に置いて使われていたようです
 和風旅館にいくと、ふかふかおざぶとこの脇息で、お殿様になったような気分がとてもうれしい、脇息です






卓の和家具



●座卓
 和室の食卓として、来客時には接客用として使われます
 脚部を折り畳めたり、重ねられるものもあります
 種類は、民芸調から伝統的なもの、モダンのものまでいろいろ
 サイズは、尺のサイズで、四尺、四尺五寸、五尺が一般的に多い


●花台
 水盤や、花瓶に花を飾り、この上に置きます


●文机
 座位で書物を読んだり、書いたりするときに使う机
 古い時代には学問が主として寺で行われたため経机と共通する形になっている
 二月堂机といわれ脚や幕板部分に雲形、火頭のデザインのモチーフにしたものがあります


●書見台
 思わず、長唄が流れてきそうな書見台
 書物を読むときや、楽譜を見るときに使用します


●長火鉢
 江戸火鉢と関西火鉢がありこれは関西火鉢です
 思わず、粋な姉さんが現れそうな火鉢
 アンティークは外人さんに人気で、ガラスのふたをしてコレクションボックスになっていたり、そのセンスは見習いたいです

●膳
 折敷(おしき)から発達し猫足、蝶足などの足付きのものが作られた
 江戸末期から足なしの会席膳が流行、一般家庭でも使用された
 右は、箱膳と呼ばれ個人の食器や、お箸をそのまま箱の中に収納した






棚の和家具


●飾棚
 平安時代の舗設具(しつらえぐ)の厨子棚、二階棚などがもとになっていると考えられます
 厨子棚は、台所での収納に、二階棚から飾り棚へ使われていったようです






箱の和家具



●和箪笥
 婚礼箪笥といわれるもので、東京式の総桐の箪笥は、大正時代の関東大震災をきっかけに大量に作られました
 一般的に和箪笥というと、このような桐の箪笥を指すことが多いようです


●茶箪笥
 茶器、食器類を収納する和風の戸棚
 和室の居間に置かれることが多い棚です


●水屋
 茶箪笥のように、茶器、食器類を収納する戸棚
 茶箪笥より、大ぶりの戸棚

●長持
 和櫃の一種で、衣装や、調度を入れる収納家具の一つ
 多くは、写真のように長持竿をにない金具に通して運んだようです
 大型で、車の付いた車長持というのもありました
 明治末年ごろまでは嫁入り道具の一つとされていました

 府中家具木工資料館 より






小物の和家具



●衣桁
 衣服を掛けるもので、衝立のような鳥居型と、二枚折りがあります
 現在は、写真のような二枚折りが使われます

 右側の小さいのは手拭掛、下のは衣装盆といいます


●鏡台
 鏡を立てて支持する台
 平安時代に作られた五本足の鏡台が最初で、桃山時代ごろより引出し付きの箱鏡台が出現


●姿見
 全身が写る鏡


●衝立
 室内の目隠しと装飾をかねたもので、簡単な間仕切りと風よけに使われる
 ふすまが入ったものと、木でできたものがある


●屏風
 人目や風を遮ったり空間を仕切るために使われる
 高さ150センチ位を本間屏風、90センチ位を小屏風、その中間を中屏風、二曲で背の低い屏風を腰屏風、枕屏風、茶室の風炉先屏風などと呼びます


●几帳
 風や、視線を遮り且つ装飾とする
 四角の土居(つちい)と呼ぶ台に、T字形の木を立て、これに帳(とばり)をかけた
 帳はふつう四、五幅で幅ごとに絹で平縫いのひもを垂らした
 帳は季節・吉凶等により、色彩や文様に決まりがあった

●鏡架
 手鏡を置く台






その他の和家具

◆ここの家具は、現在もつくられているものもありますが、実際に使われていたもののほうが、よりわかりやすいと思い、画像及び解説を、府中家具工業協同組合様のホームページ 府中家具木工資料館 よりお借りしました。



●仙台箪笥
 用材には欅、仕上げは漆を用い、塗りは木地呂に属する方法、飾りの模様は磨き鉄板に唐獅子、龍、牡丹、または菊などをたがねで彫りぬき、裏面から更に打ち出して模様をうきだしにしたもので、全工程が伝統的な手細工です
 仙台タンスに限らずこのような民芸家具は、アーツアンドクラフトの精神にも通じるのか、海外にも人気があり輸出もされています


●船箪笥
 江戸時代、商船に積み込まれて使われたもので、荒海にも耐えられるよう頑丈な木組みと鉄金具で保護されている
 また、商取引に必要な帳面、金銭、印鑑、筆、硯などを収納していた懸硯 (かけすずり) などがあります
 外側は堅い欅材が使われ、内部には総桐製の抽斗(ひきだし)と隠し箱が仕込んである
 府中家具木工資料館 より


●車箪笥
 江戸時代、商家で金品や帳面など大事なものを収め、金庫のように使われた箪笥
 下部に車が付いているのが特徴で、車箪笥と呼ばれる
 火事などの災害時に綱を付けて引張って容易に移動できるようにしたもの

 府中家具木工資料館 より


●手元箪笥
 明治時代、普段生活する部屋の身近に置かれ、手紙、印判、金銭、装身具など、貴重品から身の回りの小物などを入れた小型の箪笥
 中段の抽斗には、昔の型の箪笥によくある閂(かんぬき)式の錠がかかるようになっている

 府中家具木工資料館 より


●帳場箪笥
 明治時代、商家の帳場に置かれ、金品や帳面など商売に必要な大事なものを仕舞った箪笥
 盗みに入られた時、たやすく見つけられない様にからくり箱を仕込んだものが多い

 府中家具木工資料館 より


●薬箪笥
 江戸〜明治初期、医者や薬屋などが薬剤を入れて置くのに用いた小さい抽斗(ひきだし)が沢山ある箪笥、百味箪笥とも言う
 目玉のように丸い鐶(かん)と呼ぶ引手が沢山ぶら下がっていることから百目箪笥とも呼ばれる
 どこにどんな薬が入っているかすぐ見分けがつくように、全ての抽斗に薬の名を書いた札が貼られている
 府中家具木工資料館 より

●階段箪笥
 このタンスは江戸〜明治初期のもので、江戸時代の初め狭い町屋に登場し箱階段と呼ばれた
 建物に取り付けて柱や壁と一体化したものと、移動できる置きタイプとがある

 府中家具木工資料館 より





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