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和の建具




■日本の建具は、西洋のそれと違い、曖昧に空間を仕切るために存在します。それは日本だけの、独特の空間であり、西洋には存在しません。私たち日本人は、古来からその空間に囲まれて、生活をしてきました。
■建具の名前の検索は、索引をご利用ください。
襖・戸襖障子その他





襖・戸襖



●和襖
 構造体の組子に襖紙を張ったもの
 骨縛りベタ縛り蓑張り袋張り上張りの順に仕上げていく
 和襖の特徴は化粧縁、化粧框とも呼ばれる襖縁の美しさにある
 塗縁といって漆などを塗ったもの、素地縁としては、杉柾、桑、杉赤柾、神代杉、赤松、栗、塩路、唐木などがあり、本桑が最高とされる


●太鼓張襖
 襖縁をつけない襖を太鼓襖と呼ぶ
 「切り落とし引き手」「塵落とし」などと呼ばれる切り引き手とは、ただ単に上張り紙を下地骨の1小間だけ、押し張りしたもの
 これは簡素でデザインとしては優れているが、汚れやすいという欠点がある


●単板襖
 枠組みの中に3〜5本の横桟を入れ、ベニアを張ってその上に下地紙を張り、襖紙を張って仕上げる
 丈夫で経済的な襖である


●ダンボール襖
 芯が段ボールでできている襖で、それにプラスチックの襖縁をかぶせたもの
 安価で、軽く、断熱性はやや高いが、張り替えはできない


●戸襖
 洋間と和室、廊下と和室の仕切りに使われることが多い
 片面が合板やクロス仕上げで、もう片面が襖張りになる場合が多いが、各々の仕上げが異なるので反りが出やすい
 襖縁はプラスチックやカシューを塗った木片などを張って仕上げたものが多い

●源氏襖
 襖の一部に障子をはめ込み、採光できるようにしたもの






障子



●水腰障子
 全面紙張りした障子
 組子の形によって、横組横繁組竪繁組本繁組荒組枡組吹寄組変り組障子などと呼ばれる
 大荒障子荒組障子ともいう


●腰付障子
 腰板のある障子
 腰の高さによって、八寸腰(24センチ)尺腰(30センチ)、尺二腰(36センチ)などと呼び分ける
 腰の高さが60センチ以上のものは腰高障子とよぶ


●摺り上げ障子
 紙張り障子の下方にはめたガラスの内側に、上下する紙張りの小障子孫障子または、裏障子という)を入れたもの
 上げ下げ障子雪見障子上げ猫間、などと呼んでいる
 小障子を上げると、庭などの外の景色がガラス障子越しにながめられ、下ろすとプライバシーの保護や、直射日光を遮ることができる


●額入り障子
 障子の中央にガラス板入りの額をはめ込んだもの
 中でも腰板付中窓障子は、昭和初期までの日本住宅の典型的な障子戸のパターンとして多用された

●東障子
 障子紙の代わりにガラスを入れた障子
 ガラスは組子の間に入れる場合が多い






その他



●蔀戸
 蔀戸は、細かく格子を組んで裏側に板を張り、外または内側に押し上げて開く水平軸の板戸
 開いたときは金具で止めていた


●舞良戸
 戸框の間に板を入れ、水平の桟を間隔を詰めて打った引き戸
 平安時代には遣戸の名前で用いられたが、書院の建具としてとして使用されるようになった
 水平の桟を舞良子、その間に板を綿板という


●唐戸
 ふつう桟唐戸をいう
 框を組んだ中に縦横の桟を入れ、これに薄い入れ子板を固定した開戸
 板が離れないように上下に端喰(はしばみ)を用い、はめ込んだ板扉を板唐戸という


●格子戸
 格子戸とは、格子の間になにも入らない「吹き抜け格子戸」が本来のものだが、ガラスを入れたものも格子戸と呼んでいる
 連子格子吹寄格子切落格子千本格子筬格子などの種類がある
 写真は、 筬(おさ)格子


●ガラス戸
 框戸の一種
 框が少し小さく、日本の引き戸として作られてきたもので、ガラスが入っているものを指す
 ただし、格子が細かくなると、格子戸と呼ぶようになる


●框戸
 框材で周囲を固め、そこに中残や帯桟を入れて構成し、それ自体が構造体となる
 重厚でデザイン的にも種類が豊富な木製ドア

●フラッシュ戸
 上框、下框が表面に現れない、フラッシュ構造になっている
 枠状の芯材の表面に、普通合板や化粧合板を張って一体とした軽量のドアである
 既製品は工場生産に適しているため安価で経済的である





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