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軸組構法




■日本の伝統的な在来工法です。基本的に線で構成される構造を言いますので、木造もありますが軽量鉄骨の軸組もあります。
■軸組の名前の検索は、索引をご利用ください。
基礎・土台軸組小屋組床組





軸組構法

◆軸組は名前を覚えることから始めます。現場での打ち合わせの時など、名前がわからなくて恥をかくことがないように!


●軸組模型
 これは、私のセミナーで使っている手作りの軸組模型です
 もう少し、精巧に作ってあるものを使いたかったのですが、身近に見つかりませんでしたのでこれで我慢してください





基礎・土台

◆建物の基礎となる重要な部分にもかかわらず、普段は目に付くことがないので一番理解しにくい部分です。建築中の現場に出会ったら、チャンス!自分の目で確かめ覚えてしまいましょう。



●布基礎
 木造住宅の一般的な基礎で独立基礎の点に対して、線によって建物の荷重を支えます
 基礎の下には、割栗地業が施され床下換気のための換気口や基礎と土台をつなぐアンカーボルトが設けられます
 基礎の上面には、土台が隙間無く載るように「天端ならしモルタル」が施されます
 建築基準法では、アンカーボルトは径13ミリ以上、間隔は2.7メートル以内となっています


●つか石
 床を支える大引きの下にある垂直材を床束といいますがその床束を支えるものです
 コンクリートで出来た既成のものもありますが、床束そのものがナイロン製で出来ていて高さを自由に調節でき、木やせから来る床鳴りを解消することができるものもあります


●床下換気口
 布基礎の場合、通風が悪いため、地面から上がってくる湿気を逃すために設けられます
 あまり開けすぎると強度が悪くなります
 最近は、基礎パッキンといわれるプラスチックのパッキング材を利用することが多くなりました
 建築基準法では、300cm平米以上、間隔は5m以内とされています


●土台
 柱からの荷重、床からの荷重を支え、それを基礎に伝えます
 湿気や虫害などの被害を受けやすいので耐久性のある、檜、栗、ヒバなどが使われさらに防腐処理をするか、工場で処理された木材が使われます
 建築基準法では、地面よりの高さが1メートル以内の木部は防腐処理をするように定められています

●火打土台
 土台の隅角部に取り付けられるのが火打ち土台です
 土台の補強で、最近は火打ち金物と呼ばれる金属製のものを使う事もあります






軸組

◆基礎と小屋組のあいだの部分で建物の壁体の骨組のことです。



●通し柱
 二階以上の場合、土台から軒げたまでを一本の柱で通したもの
 建物の強度の面から、隅角部などに取り付けられます


●管柱(くだばしら)
 土台から胴差しまで、胴差しから軒げたまでのように、1階部分または2階部分のみの長さを持つ柱のこと


●胴差し
 二階床の位置で柱を相互につないでいるもので、端部が通し柱の胴にささっている


●妻桁
 軒桁に対して、妻側に渡される水平材


●軒桁
 外壁の頂部に掛け渡される水平材で、小屋ばりや垂木などを支えるもの


●梁(はり)
 基本的には、桁行(棟の方向)と直角方向に渡す横架材
 屋根の荷重を柱に伝える梁を小屋梁、上部の床を支えるものを床梁といい、柱と柱の間にかけられる


●火打梁
 小屋組の隅角にある45度に取り付けた補強部材


●間柱(まばしら)
 柱と柱との間で、壁下地材を支持するため立てる二次部材
 軸組ではなく、壁体になります


●筋交い(すじかい)
 垂直、水平に組まれた軸組に対し、対角線上に斜めに入れた補強材
 圧縮筋交い引張り筋交いがありますが、木造では金物を使用することで両方の機能を持たせることが多いようです


●窓台
 窓を取り付けるために必要なもので、窓建具の下枠取り付けのための水平材
 軸組ではなく、開口部になります

●まぐさ
 窓を取り付けるために必要なもので、窓建具の上枠取り付けのための水平材
 軸組ではなく、開口部になります






小屋組

◆小屋組には、和小屋と洋小屋があり、和小屋は、屋根荷重を垂木・母屋・小屋束・小屋梁へと伝え、梁によって支える構造で屋根の形状や大きさに柔軟に対応できます。洋小屋は、三角形に組んだトラスが屋根荷重を分散して受けるもので、比較的規模の大きい木造建築が可能です。



●棟木
 小屋の頂部の桁行方向に取り付ける横木
 棟上げ」とは、この部材を最後に乗せることで「建前」が終了することを指し「上棟式」ともいいます


●母屋(もや)
 棟と平行して、垂木屋根材を支える横木


●垂木(たるき)
 屋根板を支える角材で、勾配に沿って、棟木、母屋、軒げたに掛け渡す部材


●小屋梁
 軒げたを結び、建物の外側を引っ張り合いながら屋根と天井の重さを支える水平材
 一般的に、松丸太の樹皮をひいた芯持ち材が使われ木の背(むくり)を上にして取り付ける


●二重梁
 大小の梁が上下二重に架け渡してある梁組のこと  小屋梁の長さが大きい小屋組に使われる


●小屋づか
 母屋から上部の重量を小屋梁に伝える垂直材

●雲筋交い
 小屋束が倒れるのを防ぐための部材で「揺れ止めぬき」、「桁行き筋交い」、「小屋筋交い」ともいい、桁方向にぬきを斜めに貼り付けたもの






床組

◆「束立て床」や「転ばし床」などは、主に一階床の造り、「根太床」「梁床」「組床」などは二階の床組になります。



●大引き
 一階床を支える横材で根太を受けます


●根太
 床板を支える横材


●床づか
 一階床を支える垂直材で、大引き、根太と順番に受けていきます

●根がらみ貫
 一階床組の床下に設けられ、床束などを相互に連結させて、安定させるための横木のことです





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